C形金物の歩み

(2) 家屋にも優しい仕掛け

記事提供:㈱朝倉製作所
2013.8.30
 ●C形金物が外壁破損の原因?
 C形金物から引留具が「絶対外れない対策」は完成しましたが、C形金物が壁から外れるか、その際壁を破損しながら外れる対応が未解決になっていました。
 この問題は以前から通建様から問題提議されてきましたが、
「破損事故の発生状況、取付時の作業状況等の詳細情報が把握出来ない」との事で、検討材料が無いため立ち消えになっておりました。
 ある時、NTT担当者様から開通工事で適切な金物無く困っているとの相談があり、検討することになりました。
 検討の結果、上記の2つの内容の要求目的は同じと判断し、試作品検討に入りました。
 
●破損原因は明確だ!
 C形金物が誕生して変わること無く17年!
 しかし、建物の外装材はモルタル仕上げから窯業系外装材が主流になり、基本的な取付方法は変わらないが、金物の外れ方に変化が出たと考えました。規定の取付ビス20~25mmのビスで取付ることは基本的は仕上げ材部に取付ていることになり、長期的には、ビス穴周囲に雨水が浸透して把持力が低下してと考えられる。そこに異常張力が掛かると、ビスが抜ける事が考えられる。又、しっかり取り付いている場合は、仕上げ材が引っ張られ、浮き上がるか、破損に至ってしまう。
 つまり、色々存在する建物の仕上げ材に適した方法が明確になっていないようである?
 
●良い物を作らないと!
 そこで、次の事を考慮した試作品造りを始めました。
  長期間に渡り変わらない把持力を維持出来る事
  取付に特別な方法を要しない事
  製品に方向性が無い事
  コスト面から製造が簡単にできる構造で有る事

上記の点を考慮した構想造りを始めました。
 

●基本形「引留コーナー金物」の完成!
 そとかべ建物構造に合って、長期間把持力を確保出来る場所は、唯一
構造体の角に存在する“柱”にC形金物をどのように取り付けるか? 
  基本的な形状は考えていたので早速図面を書いて、試作品制作を始めました。

まずは図面の通りの製品が完成!
早速、C形金物を取り付けてみたが、全員が
「悪くはないが、良くも無い?」との感じで、皆で検討開始!

「C形金物の向きは、“上向き”か“横向き”のどちらか?」
「大きさは小さく出来ないか?」
「取付易さは?」と、様々検討してみました。

         

図面の書き直し、試作品の造り直しを繰り返し、
なんとか、最終品が完成しました。

   ”引留コーナー金物”と命名
 

●最後の関門!現場の方からの感想?

  社内的には良いと思っても、使われる方の意見が重要です。
試作品を持って各地の設備部、通建様、展示会において、現場の方に、使い勝手を含め、製品の感想を聞いて回りました。

 結果的には、思った以上に好評で、建築構造からの取付説明には、多くの方から納得して頂け、「製品化決定の重要な要因」となりました。
しかし、少ないながら現場からの要望事項として
「C形金物が横向きで良いのか?」
「小型に出来ないか?」
「取付ビスの購入は?」
「金属色が目立ち過ぎるが?」
等のご意見も有ったが、試作品レベルでも十分効果が期待できるとの判断で量産化に至りました。

 この「引留コーナー金物」の完成で、「C形金物改良品」
「外れ防止ピン」共に、「外れ防止の三本の矢が勢揃いです!」

 

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