技術のあれこれ

                  C形金物の歩み(連載第1回)
                   ――外れないカラクリ――
                                          記事提供:樺ゥ倉製作所
                                                   2013.8.30

 ●C形金物から留具が外れるって本当?
 この疑問に関して、当社開発の「引留コーナー金物」の全国PR行脚中に、会社に居て知ることが出来ない様々な現場でのお話を聞くことが出来ました。
 メーカーとしては内心「C形金物自体に製品として特に問題は無い」と言う自負がありました。しかし、全国を回り始めてみると、「C形金物が壁から外れる前に、引留具がC形金物が外れる場合もある」と言う言葉が、聞こえてきました。
 「引き込み線の引き込み角度の影響もあるのかな?」
 「ダンシングの影響かな?」
 「弛度寸法とダンシングの関連もあるのかな?」と。
 最初は気軽に、「たまたまなんだ」と聞いておりましたが、だんだんと、「ホントなの?」から始まって、「有るのかな?」と調べているうちに、通常では起こり得ないが、「想定外」も踏まえた検証の必要性を感じました。
 
●言われる程悪くない!?
 そこで、会社に戻り早速「外れ検証」を行いました。
 まずは、自分が「意識的には外れないように」と、種々振り方を変えてみて実験し、公平を期する為、数人の社員にも自由に振らせて見ました。
 結果は、あり得ない振り方の影響か?
 500回中、数回外れる現象が見られ、改めてメーカーとして、「想定外」のことが現場では起きる事を考慮した物作りを続けないと、置いていかれると反省いたしました。
 
●良い物を作らないと!
 それなら、「メーカーとして安心できる製品を作らないと」と、意地が出てきました。留具は後から取り付けるのだから、「開口部は無ければ取り付けられないし」、「開口部があるから外れる可能性がある」。
 悩みが始まるかと思いつつ、突然、「ドライバー持ってきて」と、笑顔で叫びました!
 

 

●考えているより実行だ!
 そして、C形を掴かんで、開口部正面の2枚合わせの部材の間に、ドライバーを差し込み、力一杯開いてみました。
 さらに、ペンチで左右均等に形を揃え、「ハ」の字形に整えました。

 

 半信半疑で留具を差し込もうとしたが「入らない!」「使えない!」色々やっている時、「横にしてみたら」と言われ、試している内に簡単に入る角度が判明!代わる代わる行ってみたが、角度をつかめば誰がやっても入りました。
 

 さて、「有効性はどの様に検証するのかな?」と、又疑問!そこで、実際に取り付けて留具を掛け、一定の角度で布設状態にし、ダンシングを掛けてみようと考え、代わる代わる100回ずつ試して見ました。
 「何と、100%外れ無し!」
 
 結果的には、作る事は割と簡単に試作ができあがりました。量産の為の金型改造も各社なりの努力で対応可能と事で実行可能となりました。
 
●既設のC形金物はどうするの?
            ――外れ防止ピンの誕生!――

 
 既設のC形金物は「絶対外れないようにしよう」と、新たな課題が持ち上がりました。
 
 数日間「C形金物を見つめ続けている内に、出来るかも?」と、針金を持ち出し様々な曲げ物を作り始め、繰り返している内に何とかまとまり、提案品に近い試作品が完成しました。
 思った以上に効果的で、「製品に出来る!」と直感出来ました。
 

 実際の金型造りでは、SUS棒の曲げ返しで、寸法確定に苦労致しましたが、完成品は、想像したとおり十分な機能で、取付方には簡単なコツが有りますが、誰がやっても同じ効果が得られ、スキルフリーに適応してる製品と考えます。 

 改良品のC形金物・外れ防止ピンは、「外れ防止の三本の矢の二つである!」

 次回は、三本目の矢「引留コーナー金物」です。