家庭では、コンセントに付けて電流を表示する【エコ何とか】という商品がいろいろありますが、「見える化」して何をするかというと、使っている電気量を把握して不要な機器のスイッチをOFFにして節電しましょうということだと思います。
ところが、データセンターの場合にはそうはいきません。そもそも止めることが出来ないのですから。データセンターで使用される分電盤には、多くの場合、左の写真のようにブレーカー1個1個に電流センサーが取り付けられています。「見える化」をしているわけですが、なぜでしょうか? 前回、楽天のデータセンターの話を書きましたが、データセンターにおいて、データセンター事業者がサーバ機器を設置する場所、ネットワーク回線、電源・空調等の設備を用意し、そこに、データセンターのお客様が所有するサーバ機器を持ち込むサービスを、ハウジング(コロケーション)と呼びます。お客様はハウジング契約をし、ラックを借りて機器を入れて電力を供給してもらい使用します。電源についてはアンペア契約となり、ブレーカーもそれに合わせたものになります。前回の連載第1回「電気はあって当たり前」で、主に短絡事故などによるブレーカーの遮断についてご説明しましたが、当然、使いすぎてもブレーカーは落ちてしまいますので、データセンターのお客様にとってはサーバを止めてしまい、その業務に支障をきたすことになります。
また、データセンター事業者としても契約以上の電気を使ってもらっては困ります。更にデータセンターの使用する電力は莫大ですから、電力の削減はその経営に直接影響します。少し古い記事になりますが、日経のITproというホームページに
『「見える化」無くしてデータセンターに未来なし』にくわしく述べられています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110608/361184/?ST=cloud&P=1
そのためにデータセンター事業者は、分電盤の個々のブレーカーすべてに電流計測装置を搭載して監視するということになります。
弊社では交流はもちろん、直流についても電流あるいは電力量監視機能を搭載した、いろいろな分電盤を製造しています。監視装置は計測、通信からサーバのアプリケーションまで自社で開発しております。
ICTの進展に伴い、情報通信全体では使用する電気が増え続けると想定されますが、電気を正確に測り、少しでも消費電力の少ない機器を使用して効率的に電気を利用していければと思います。
次回は「ブレーカーを増やすのはわがまま!!」 というタイトルで、交換・増設が可能なプラグインタイプのブレーカーについてご紹介します。
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