技術のあれこれ

                  進化する通話録音装置(連載第1回)
              ――はじまりはアナログ記録〜――
                                             記事提供:潟^カコム
                                                    2014.6.30

 身近にある電話が黒電話からケータイ、スマホと進化を遂げているように、それを録音する技術も進化を続けています。その進化の過程を技術面と運用面からご紹介いたします。
 ●電話を録音する

 電話の録音といえば、古い映画やテレビ番組でよく見かける「黒電話」に「テレホンピックアップ」(中身はコイル)を貼り付け、電磁誘導で得られた音声信号をテープレコーダで録るといった純アナログ的な方式がありました。
 しかし、この方式も電話機自体が黒電話から電子化された電話機になり、音声信号を得ることが難しくなりました。どの電話回線のどの電話機でも確実に録音できる装置を目指して開発が始まりました。

●通話録音装置の開発
 開発を始めた当時(平成初頭)の電話回線といえば、アナログ方式が主流でしたので、電話網や端末機器に影響を与えないように配慮さえすれば、音声信号は比較的容易に取り出すことができました。録音媒体としては、安価で繰り返し再利用が可能な磁気テープ、中でも当時入手性や取り扱いが容易であった(コンパクト)カセットテープが採用されました。
 通話録音の専用機としては、通話の開始、終了を検知し、自動で一通話単位の録音ができるようにしました。 また、録音が満杯になった場合には即座にテープ裏面に切り換え(オートリバース機構)、録音を継続できるようにしたり、予めテープを二組用意し、一方を使い切ったら他方のテープで録音を継続するような工夫を盛り込みました。
こ れらのハードウェア、ソフトウェアの制御は、自社でそれまでに培った留守番電話装置の技術が活かされています。
このテープ媒体を採用した通話録音装置は、VR(Voice Recorder)シリーズとして商品化されました。
 
 



 コンパクトカセットテープを採用した
 通話録音装置 VR-200
 その後、より小型化されたマイクロカセットテープを採用したモデルも投入しました。

 





 マイクロカセットテープを採用した
 通話録音装置 VR-150

●テープ方式、アナログ方式の限界
 これ以外にも設計上の工夫で使い勝手を改善してきましたが、テープ媒体という特性上の制約、例えば録音最中にそれまでに録音した通話を聞くといったことはできませんでした。また、テープにアナログ記録された音声自体も、その後の活用を考えると決して取り扱いやすいものではありませんでした。このあたりの改良も含め、デジタル技術や新しい記録媒体の導入による通話録音装置の進化が始まりました。 
●通話録音のニーズの広がり

 「通話録音」といえば、警察や消防の公共機関での「記録」という利用用途から始まり、複数回線を同時に録音できる通話録音装置が主流となっていました。その後、銀行、証券など金融を初めとした一般企業にて“言った、言わない”をめぐる「トラブル回避」や、「取引内容の記録・確認」とする利用目的で電話機ごとに録音する小型の通話録音装置が普及し、特に、銀行の支店長席の電話など管理者の電話を録音するため、小型の通話録音装置の利用が急増しました。

 次回は「アナログからデジタル対応へ」についてご紹介します。