技術のあれこれ

                  進化するプロテクタ(連載第1回)
                   ――見た目に美しくやさしく――
                                          記事提供:マサル工業
                                                   2013.6.28

 ●ワイプロって?
 ワイヤプロテクタ、略してワイプロ。
 ワイプロの歴史は、今から60年も前に遡り始まります。今から60年も前というと、1950年代。まだ終戦間もない時。各家庭に1台ずつ電話もまだない頃、オフィス向けの電話が出回り始めました。 
 しかし、当時の電話線は現在のプラスチックとは違いゴムで覆われているものでした。その電話線を覆うものは、鉄製で今の様な上下が分割する様な形ではなくカバーのみの構造で、モールディング(略してモール)と呼ばれていました。
 そこで、ベース付きの鉄製モールが考案され、浸水から電線を守ることができるようになりました。この考案は当時ではとても画期的であったため、電気通信施設局保全部に即採用され、「ワイヤプロテクタ」という名称で仕様化されました。
 ワイプロの誕生です。そして、ワイプロによる宅内施工です。
 当時の床は今のようなカーペット等ではなかったため、ワイプロの色はグレーが主体です。今では「???」と思うような見た目ですが、当時としては画期的でした。
 
●金属〜プラスチックへ

 時代は移り変わり、日本ではプラスチックの実用化時代となります。
 当然、ワイプロもプラスチックを取り入れるようになり、まずはベース部分からプラスチックに。ベースに用いたプラスチックは軟質(現在は硬質)のものでありました。 

 更に研究は進み、オールプラスチックで作製することが可能となったことから、現在の原型となるワイプロが誕生します。
 床に配線する為、形状は台形に。今でこそ邪魔、と思えるこの形状ですが、電話線を保護するのに大活躍。
 保護する電話線の本数に対応する為、断面積の異なる5種類のサイズが出来たのもこの頃です。何本も同じワイプロが並ぶよりも、1本に収容されていた方が、見た目が良いからです。(実際には入線許容率というものもあるが、電話線には規定は無い)
 
 また、電話線の配線は直線だけに限らないことから、様々な接続部分で使用される付属品も準備するようになりました。保護する観点も重要ですが、見た目も重要。今まであった配管と同様に曲がった部分や分岐する部分に使われるような付属品も使われるようになりました。

●カラフルなワイプロ
 当時の電電公社仕様のワイプロはグレー色1色のみでした。
 時代の変化と共に、自営設備(電話加入者の負担で使用する設備)には仕様に準拠していれば形は違っていても良い、という決まりができ、自営用の物も製造されるようになりました。
 自営用のワイプロは、部屋の色にマッチしないグレーだけでなく、カラフルな物のニーズがあったことから、様々な色を作りました。現在では、下の5種類を製造しています。 

●美観にこだわる!! 
 更に時は進み、現代。高度成長を過ぎ、通信の手段も変化しました。また、世の中のニーズも変化しました。
 機能があることは大前提で、さらに付加価値を付けた製品を求められるようになりました。角があるのであたると痛い、見た目にやさしくない、重くて使いにくい、時代に合わない・・等など・・・。
 そこで、角を無くした製品や重量の軽い製品、ワイプロ以上にカラフルなラインナップなど、形状・構造は違うものの、ワイプロの魂を受け継いだ製品は今も世の中で必要とされています。

 現在使われているオプトモールは、そのような時代背景を具現化した商品の一つですが、今でもワイプロと呼んで頂けることは、やはり根底にはワイプロの魂が宿っている、としみじみ思ってしまいます。

 次回は、「強さの秘訣はここだよ」で強度についてお話致します。